2014年5月号 <Book Review>

相手をイラつかせない怒らせない話し方と聴き方のルール

かんき出版
1300円+税
ISBN978-4-7612-6988-3
四六版/並製/224ページ

Book Review

相手をイラつかせない怒らせない
話し方と聴き方のルール

竹内幸子 著

 多くのコールセンターでオペレータの指導に携わってきた著者が、「怒られやすい人」と「怒られにくい人」の違いやそれぞれの特徴を分析し、「怒られにくい話し方・聞き方」のポイントを挙げる。

 怒られにくい人のコミュニケーションは、「肯定的な返事をしたり話を聞くなど、相手が気持ちいい対話をすることで好印象を与え解決に導く」「相手をイラつかせるマイナスの言葉は発さない」「当たり前のことを伝えるときは前置きの言葉をプラスする」など、ちょっとした気遣いができている。これを無意識にできない人は、こうしたポイントを理解し、意識的に行うことで円滑なコミュニケーションが可能になるはずだ。

 本書では、「聞く」ことで相手の気持ちを受け止める、怒りのエネルギーを反転させて信頼関係に置き換える——などクレーム対応に対する基本的な心構えを提唱するとともに、“地雷言葉”“同意能コミュニケーション”など独特の対話法を伝授する。

 「ルール1:初動の30秒間はただイエスを引き出し、怒りや不機嫌をよい印象に塗り替えていく」「ルール2:地震がない人の共通点」など39のルールを挙げ、それぞれの実践方法を具体的に示している。

 電話対応だけではなく、友人関係や職場、家族とのコミュニケーションにも活用できるノウハウが詰まった一冊。対話に悩むすべての人に読んでほしい。