2015年3月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2014>

大井 照子 氏

リーダー・オブ・ザ・イヤー 2014

主導した「継続こそ力なり」
たゆまぬ努力で社内外の高評価をもたらす

グラクソ・スミスクライン
大井 照子 氏

Profile

大井 照子 氏(おおい・てるこ)

グラクソ・スミスクラインの九州、東海支店での営業サポートや支店長の秘書業務などを経て、2006年よりカスタマー・ケア・センターに所属。レップを経験した後、テレフォン・スキル・トレーニングやリコグニション・プログラムの企画・実施を担当、同センターのサービス品質向上をリード。企業電話応対コンテストでは2007年から7年連続優秀賞以上を主導した。2011年の沖縄サイト開設により同サイトに常駐。現在は東京本社に戻り、同センターのバックオフィスサポート業務に従事。

 新センターの立ち上げの成否は、人材採用やトレーニングに関わるスタッフの手腕によるところが大きい。とくに、センター長やSVなど、マネジメントのほとんどが首都圏のセンターしか経験していない場合、馴染みのない地方拠点での立ち上げに伴う負荷は想像を絶するものがある。

 医療用医薬品の外資系大手、グラクソ・スミスクラインは2011年に、東京・代々木の本社内にあるセンターに加え、沖縄県に新サイトを増設した。大井照子さんは、その際に現場リーダーとして採用、トレーニングの中心的存在として活躍した経歴を持つ。

業界を代表するセンターに成長
原動力として支え続ける

 同社のカスタマー・ケア・センターは、創設以来、さまざまな外部機関による表彰を受けてきた製薬業界を代表するコンタクトセンターだ。大井さんは、その取り組みの多くで中心的役割を担ってきた。

 とくに沖縄サイトは、設置からわずか2年で日本電信電話ユーザ協会の企業電話応対コンテストの最高位「会長賞」受賞、同協会の電話応対コンクール沖縄県大会で準優勝、優秀賞を受賞するなど、目覚ましい成長を遂げた。

 コンクールやコンテスト、外部機関からの表彰は、ともすればセンターだけでの自己満足になりがちだ。大井さんは、常にコミュニケーション部門などと連携し、社内発信を主導した。結果、英国本社の経営トップにもその情報が共有され、「患者さん中心」という同社の理念を具現化する取り組みの代表例として、同社内のグローバルなアワードの受賞にまで至った。その効果もあって海外のVIPの同センターへの訪問が絶えず、評判を聞きつけた駐日英国大使が沖縄サイトの視察に訪れ、最大級の賛辞を与えたほどだ。

 沖縄サイトの取り組みは、NHK(Eテレ)でも取り上げられ、「明日をつかめ」という番組でオンエア。その撮影でも、大井さんが取材活動を支える役割を担った。

 「レップ(同社のオペレータの呼称)が、努力する姿をクローズアップしてもらい、センターの仕事のおもしろさややりがいを少しでも伝えられたとすれば、こんなに嬉しいことはないです」と振り返るように、常にコールセンターという組織、業界の発展を念頭におく姿勢が「次世代リーダー」として審査員からも高く評価された。