2015年6月号 <センター探訪>

センター探訪

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立ち上げから約1年で、オペレータ数は5人から60人に増えた

コンタクトセンター/センター探訪

メルカリ

スマホで開けるフリーマーケット

改善の源はオペレータの「やる気」
ポイントは上下関係のない開かれた職場づくり

メルカリ CSグループ マネージャーの山田和弘氏

メルカリ CSグループ マネージャーの山田和弘氏

 2013年にサービスの提供を開始したCtoCのスマホ・タブレット専用フリーマーケット・アプリ「メルカリ」。アプリを介し、衣類などの日用品の売買ができるサービスで、ユーザーは10代から40代が中心で男女問わず支持されています。アプリダウンロード数は順調に伸びており、国内1300万ダウンロードを達成。過去最高で1分間に3000もの商品が出品されたこともあります。

 事業の伸長を支えているのが、充実したカスタマーサポートです。操作や商品の遅配対応といった問い合わせをメールで受けています。CSグループ マネージャーの山田和弘氏は、「フリマアプリの利用は、見知らぬ人同士がモノとお金をやりとりする心理的ハードルの高い行為。ユーザーが嫌な体験をしないよう、きちんとサポートすることが大切です」と話します。サービスが軌道に乗るとともにカスタマーサポート部門の強化に着手。創業当初は東京本社内の約20人の部門でしたが、14年5月に仙台拠点を設置、現在は従業員130人のうち80人が所属しています。

 採用は、“仕事への主体性があること”を基準に厳選。「カスタマーサポートの改善活動を活発化するため」と山田氏は理由を説明します。

 問い合わせは、画面サイズが小さいモバイルデバイスから送信されるため、メールの文面は短く端的になりがちです。オペレータは、そこからユーザーの置かれている状況を推測、手早く的確に回答しなければなりません。マニュアル、スクリプト(テンプレート)を数百種類用意していますが、「マニュアルを遵守するだけでは応対品質は維持できても向上はできません」と山田氏は強調します。「『マニュアルを直した方がいい』『テンプレートを作りました』など日常的なオペレータの声をもとに改善を重ねてこそ、品質向上が可能です」(山田氏)。実際、インセンティブなどの特別な制度は設けていなくても、提案の頻度は高く、改善サイクルがうまく回っているそうです。オペレータの主体性だけではなく、ITベンチャーらしく、部門や上下の関係なくざっくばらんに話せる環境であることも、奏功しているようです。