2016年1月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2015>

鈴木 新司 氏

リーダー・オブ・ザ・イヤー 2015

他部門/クライアントに認められ
成長を実感・共有できるチーム作りにまい進

日本コンセントリクス
CRMデリバリー・プロフェッショナル チームリーダー
鈴木 新司 氏

Profile

鈴木 新司 氏(すずき・しんじ)

2005年に日本IBMグループへ入社。2007年から損害保険プロジェクトの立ち上げに従事し、関東から沖縄への移管業務をリードした後、同プロジェクトのマネージャーとしてバックオフィスと電話窓口を6年間歴任。2014年5月には日本コンセントリクスへ移籍し、現在はクオリティ・マネージャーとして業務改善、品質向上に従事している。

 アウトソーサーに求められる要素は数多いが、クライアントにとっては「正確性」「迅速性」は絶対に欠かせない。日本コンセントリクスの鈴木新司さんが担当している損害保険の契約内容の変更受付処理などを行うバックオフィスチームは、補償内容に関わる個人情報を扱うので処理ミスや発送の誤り、遅れが許されないクリティカルな業務だ。さらに、社内照会や契約者への確認の電話対応スキルも必要となる。

 鈴木さんは、プロジェクト開始当初から業務設計に関わり、手順書の整備など社内業務の標準化の基礎を築いた。また、業務改善活動を推進するチームを作り上げるなど、優れたリーダーシップを発揮している。

チームの価値を高めた
「洗練されたノウハウの横展開」

 鈴木さんが改善活動推進のため着目したのが「シックスシグマ」だ。「100万回の作業を実施しても不良品の発生率を3.4回に抑える」ための品質管理手法で、徹底した原因分析に基づいた施策立案、実行管理が求められる。

 まず、メンバーの応対スキル向上とともに、社内営業職員向けにFAQなどのナレッジベースを充実させ業務効率を高めた。「チームの付加価値を高め、全体のモチベーションを向上したい」という鈴木さんの熱意と行動が、それまで問い合わせを受け付けることのみに終始していたバックオフィスチームを、“他部門に情報やノウハウを発信するチーム”に進化させたといえる。

 とくに2014年は、年間15件もの改善活動をリードし高い成果をもたらした。例えば月平均2000件の電話対応時間を、1件あたり平均12%短縮。その効果は月間3人分に値する。その人員でさらに他のチームへの業務支援を実施し、限られた人的資源の有効活用に貢献した。鈴木さんが評価されているポイントは、課題や問題の表層だけでなく、背景や要因をつきとめたうえで重要度や優先度を考えられる視野の広さといえる。結果、指導するメンバーも「自ら考え行動する」という意識とサイクルが発生。ベストプラクティスが横展開されるという模範チームに成長している。

 鈴木さんは、「成長する/できる喜びを分かち合えるチーム作りを心がけることが、お客様(クライアントとその顧客)の期待を超えるサービスに必要だと考えています」とモットーを語った。