対話の達人II
〜対話の力で世界を変える〜

「対話の達人」編集部・編

　顧客対応の最前線で日々、電話の向こうのお客様と対話するコミュニケータ。顔が見えないだけに感情をストレートにぶつけてくるお客様に、知識と言葉をフル動員して対話する。時には、怒られ、泣かれ、喜ばれて、感謝され、最後は笑顔で電話を終える。対話の力で企業とお客様との関係を築いていく。

　本書は、昨年創立30周年を迎えたテレマーケティング会社大手、ベルシステム24のコミュニケータやスーパーバイザーなど現場スタッフ、営業部門や間接部門など本部スタッフが「対話と変化」をテーマに綴ったエッセイ集。毎日繰り返される顧客との対話、あるいはクライアントや仲間同士との関わりの中で生まれた、ふれあい、つながり、気づき、想いが、一個人の視点を通じて語られる。

　突然逝った夫が掛けていた内緒の保険契約、東日本大震災に見舞われた顧客からの悲痛な願い、楽しい思い出と高額請求の謎、突然かかってきた警察からの電話——。家庭に悩みを抱えながら顧客の悩みに応じるコミュニケータ、クレーム対応ばかりの退屈な日常で見つけた自分の役割、数値管理にばかり奔走し仕事の本質を見失っていたスーパーバイザー、セールス電話が持つ真の魅力——。

　年間8億本もの対話を30年間続け、その中から紡がれた80本余りのストーリー。ホロリときたり、元気づけられたり、妙に納得できたり、「電話の仕事って結構面白いよね」と思わせるエピソードが詰まっている。