2012年5月号<第2特集>


第2特集BCP、リプレース需要で再浮上?!
CRM/コールセンター IT市場展望

2009年以降、微減傾向にあったITソリューション市場に再伸長の兆しが見えている。東日本大震災を契機にした拠点の分散化、リーマン以降の凍結案件の再始動とリプレース需要が重なったことが要因として挙げられるが、アナリストは「成長している実感はない」と口を揃える。老朽化対応ばかりに終始し、戦略的な投資案件が少ないことで数値に表れない停滞感があるようだ。調査機関のデータをもとに市場を展望望する。
リーマン以来の“プラス着地”も
老朽化案件に終始した「実感なき成長」

2008年秋のリーマンショック以降、停滞が続いていたCRM/コールセンター関連のIT市場。2011年は、不透明な景気動向に加えて東日本大震災の影響が懸念され、昨年夏段階では「総市場は微減」と予想するアナリストが多かった。
 ところが、年末から3月にかけて主要ITベンダーに着地見通しを聞くと、ほとんどは「金額、案件ベースのいずれも、前年実績と比較すればプラス成長」という企業が多い。市場を下支えした分野はいったい何だったのか。主要調査会社のリサーチ結果とアナリストへのインタビューを中心に動向をまとめる。