2023年7月号 <第2特集>

第2特集扉

21のベストプラクティスに学ぶ
「カイゼン」のヒント

「自己解決」と「CX」の両立をどう図る?
成功事例に見るセンター改革の軌跡

2023年6月現在、コンタクトセンターは就業環境もその役割も様変わりしようとしている。パンデミック、デジタルシフト、リモートワーク、AI技術の進化──さまざまな要因が重なり、現場はその対応に追われている。本誌が2022年に掲載した記事より、21のカイゼン活動のポイントを検証する(取り組み内容はすべて取材当時のもの)。

 コロナ禍以降、カスタマーサポートの最前線──顧客にとっての一次接点と解決手法──はWebサイトへ移行している。そこでは、手続きの自動化や問題の自己解決など、セルフサービスが主流だ。一方、二次対応となる有人窓口は、より高度な問い合わせに対応するため、AIやナレッジの活用などIT武装と優秀な人材の雇用・育成が求められている。顧客のことをより深く理解するためのVOC活動の拠点としての役割も大きい。

 昨年1年間に掲載した改善事例、IT導入事例からも、こうした取り組みに注力する企業が多く見受けられた。は、コンタクトセンターにおける顧客ロイヤルティの醸成につながる要素を整理したものだ。センター運営の成果としては『効率化/生産性向上』『品質改善』『プロフィット/経営貢献』の3つがある。これを実現する手段として、『採用・研修』『HRM・ES追求』『情報共有』『IT活用』『その他の創意工夫』がある。とくに近年は、カイゼンの手段としてIT活用が盛んだ。

 本誌2022年1月号から12月号で掲載した「カイゼンの軌跡」「ITの選び方&使い方」で取り上げたカイゼン事例から、センター改革のポイントを検証する。

図 「CS追求」につながる「5つの手段」と「3つの成果」

図 「CS追求」につながる「5つの手段」と「3つの成果」

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1. ボット/セルフサービス必須?! 生産性向上の6つのヒント

解約請求をボイスボットで自動化
明治安田生命保険

ボイスボットで「督促」を自動化
auフィナンシャルサービス

購入可能店舗を検索して自己解決
村上農園

確実に望む回答へ導くFAQサイト
伊予銀行

FAQ強化と手続き自動化を推進
DINOS CORPORATION

メールアドレス取得にSMS活用
日新火災海上保険

2. 抜本的な体制見直しを図る 品質改善の5つのヒント

ES向上に4つの施策を実践
みずほ証券

3センター統合を支えたES施策
きらぼし銀行

KPI・評価の見直しで意識改革
アイペット損害保険

ナレッジ基盤システムを刷新
東京海上日動コミュニケーションズ

ITベンダーとの役割分担を徹底
在宅がん療養財団

3. ボット/リモート/動画を駆使 経営貢献の4つのヒント

ボイスボットで新規予約1.6倍
デジサーフ

チャットボットで離反防止
レアジョブ

店頭従業員がオンライン接客
ゴールドウイン

YouTubeで情報発信し離反防止
GMOメディア

4. 顧客を知る“VOC活動”が大前提 CS追求の6つのヒント

徹底したVOC活用でCX向上
ナッシュ

要望とらえるアンケート活用
HTBエナジー

全社連携で推進「超速VOC活動」
STORES

「縦割り組織のVOC還流」に挑む
サラヤ

チャットボットでVOC収集
キリンホールディングス

お客様相談室が主導するSNS活用
ライオン