海外企業に引けを取らない「AI」の活用
課題は「セルフサービス」の偏重にあり
──デロイト トーマツ コンサルティング調査
隔年で実施されているデロイト トーマツ コンサルティングの調査「グローバル・コンタクトセンター・サーベイ」。今回の結果からは、カスタマーエクスペリエンス重視の運営の一方で、「セルフサービス強化」にあまりにも偏重している運営課題が浮き彫りになっている。AI活用をはじめとした結果の一部を抜粋、検証する。
今や、日本のコンタクトセンター運営企業にとって「CX向上」という目標は、ほぼ浸透している。「今後2年間のコンタクトセンターの重要戦略」について聞いた結果が図の左グラフだ。日本企業は63%が「顧客体験(CX)向上」と回答、海外企業の52%を大きく上回った。
しかし、その施策については「セルフサービスの拡大」が最多。海外企業もその傾向は強いが、「オペレータ支援機能の導入」も同様に力を入れているのに対し、日本企業はこれを選んだ解答企業は2%しかいない。デロイト トーマツ コンサルティングでは、「(海外は)CX高度化を実現するには、顧客ニーズに精通し、ブランドボイスや企業価値との整合性を保ちながら、ニーズに対応できるスキルを持った、経験豊かで満足度の高いオペレータが必要と理解している」と分析している。
図 コンタクトセンターの重要戦略と重要領域
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