2013年10月号 <センター探訪>

センター探訪

365日、9時〜21時に運用しているコールセンター

センター探訪

試食会ではオペレータ全員が弁当の味を把握

センター探訪

入り口奥には社名にちなんで笹の葉が置かれている

センター探訪

休憩スペースその1

センター探訪

休憩スペースその2
マンガやゲームが用意されている

センター探訪

バーカウンターではプロのバーテンダーが腕を振るうことも

コンタクトセンター/センター探訪

スターフェスティバル

東京都港区北青山

オペレータは『任せて育てる』
急成長を支えるセンターの教育方針

弁当・ケータリングの宅配サービス「ごちクル」を運営するスターフェスティバル。業務拡大に合わせて毎月10名以上のペースでスタッフ増員を行うなど、急成長中です。オペレータの平均年齢20代前半という活気あるカスタマーセンターに訪問しました。

瀬尾和成部長(左)と山川大樹氏

カスタマーサービス部 兼 ヨクスル部 森山裕之部長(左上)とカスタマーサービス部 前田精吾部長(右上)と吉岡舞美マネージャー(左下)と稲葉理恵さん(右下)

 昭和6年創業の洋食屋「東京 日本橋 三代目 たいめいけん」、ミシュランガイドの二つ星を獲得した昭和3年創業、京都の老舗会席料理店「たん熊北店」、焼肉「叙々苑 游玄亭」——週に2度、スターフェスティバルのコールセンターには有名店の弁当が並びます。オペレータ向けの試食会です。顧客にきちんと情報を伝えるため、提供している弁当を実際に食べて、味や内容を確認します。

 スターフェスティバルは、弁当・ケータリングの宅配サービス「ごちクル」を提供している創業4年の会社です。500円前後から3000円以上の弁当まで、ケータリングと合わせて210ブランド、4000種類以上を取り揃えています。食数は月間20万食。顧客の年齢は30〜40代が中心で、イベントや接待、法事、結婚式などさまざまなシーンで利用されています。

裁量権を増やして自主性を育てる

 同社では、雇用形態を問わずすべての従業員は入社後に電話応対を経験します。すべてのキャリアの通過点でもあるセンターは、「たくさんの人々の願いをかなえたい」というビジョンの実現を目指しています。

 入社4カ月目の稲葉理恵さんは「“お客様に何かしてあげたい”という思いがあっても、何ができるのかわからないことがあります。そういうときは先輩に相談すると、飲食店に問い合わせする、状況に応じ他社を紹介するなど具体的なアドバイスがもらえます。納得できるまでお客様と向きあう時間が取れることにやりがいを感じています」と居心地が良い理由を語ります。

 カスタマーサービス部 マネージャーの吉岡舞美さんは「オペレータが相談しやすい環境を提供することが大切だと考えています。マニュアル通りの対応ではなく、“お客様が何を求めているのか、何をしたら喜んでくださるのかを常に考えて応対してほしい”“自分がやりたいと思ったことはどんどん提案してほしい”と伝えています」と話します。

 自主性を引き出すポイントについて、カスタマーサービス部 前田精吾部長は「オペレータが自分で考えて動くためには、まず裁量権が必要です。電話1件あたりの応対時間に制限はつくらず、注文額のノルマなども設けていません。どうすればお客様に本当に満足していただけるかをオペレータ1人ひとりが考え、実践することが顧客満足にもつながると考えています」と強調します。

 オペレータ間のコミュニケーションも活発です。こうした環境には「採用」のポイントが大きく影響しています。前田部長は「面接では、当社の雰囲気との相性を重視しています。社内イベントなど馴染みやすい環境はあるのですが、積極的に人とコミュニケーションを取ろうとする意思があるかどうかは、社内での人間関係や顧客対応にも大きく影響すると考えています」と説明します。

タテヨコナナメ相互の評価制度

 評価制度も整理しています。360度よりさらに深い評価を目指し、1080°(TEN EIGHTY:スノーボードで、1080度、つまり3回転するスピントリック)と名づけられた評価制度では、オペレータ同士とマネージャー、部長の相互評価を行います。これは査定とも結びついていて、昇格や希望に応じた他部門への異動につながることもあるそうです。

 「距離を縮めるため、オペレータは互いに下の名前やニックネームで覚えて呼び合っています。今後、成長するなかで、この距離感をどのようにシステマティックに保つかが課題です」とカスタマーサービス部 兼 ヨクスル部 森山裕之部長は話します。現在は首都圏、関西、中部、福岡を中心にサービスを展開していますが、今後、全国47都道府県へサービスを展開する方針の同社。それを支えるコールセンターの今後の活躍に注目が集まります。