2012年11月号<特集>

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特集

人が辞めないセンターの悩み――
ベテランオペレータの指導と育成

 数年前まで「オペレータ3年定年説」とまことしやかにささやかれていたコールセンター業界ですが、ここ数年、「人が辞めなくなった」という声を良く聞くようになりました。もちろん喜ばしいことですが、一方で慣れからくる品質低下、マネジメントの意向軽視など、悩みも生じているようです。いかにベテランの自尊心を損ねることなく、彼ら/彼女らをマネジメントするのか。現場の悩みをアンケートで抽出し、自主性を重視した教育と管理を実践する事例をまとめます。

Part.1 <現状と課題>

慣れ、固定観念、自信過剰
組織力低下を招く「3つの弊害」

「オペレータ3年定年説」といわれた時代もあったが、経済環境の低迷からくる就職難もあって、「平均勤続5年」「今年度は1人も辞めていない」というセンターすらある。しかし、それは「新陳代謝の少ない組織」を生んでいることを表す。ベテランをどう指導し、活性化するのか。意識向上のコツとスキルを活用するための仕組みについて、事例と専門家の提言からまとめる。

Part.2 <ケーススタディ>

ルーティンワークならではの“型”を破る!
気づきを促す3社の再教育メソッド

オペレータに限らず、仕事を続ける際に自分なりの“型”を作り上げるのは自然な行為だ。ルーティンワークならなおさらだが、型にこだわりすぎて成長が阻害されるケースも多い。ベテランオペレータの指導には、型を形成している固定観念を打ち崩す“気づき”を与えることが必要だ。そのカギとなる“自主性”を育むセルフモニタリング、QC活動をはじめとした3社の取り組みを検証する。

CASE STUDY 1:長寿乃里

個性、資質に応じたカスタマイズ指導
ポイントを絞り込んだ“指摘”が重要

CASE STUDY 2:オルビス

「問題ないレベル」に+αをもたらす
自主的な改善促す“シスター制度”

CASE STUDY 3:日本興亜損害保険

相互評価/QC活動を軸に“気付き”を提供
慣れから生じた「型にはまった対応」を打破