2012年11月号 <CT Interview>

 

CT Interview

感動体験は“権限委譲”から始まる
ビジネスに直結する『現場力』の条件

アメリカン・エキスプレス・ジャパン
ワールド・サービス事業部担当副社長
萬年良子氏

「お客様をスクリプトで括ることはできない」――アメリカン・エキスプレスでコールセンターを含めたサービス業務を統括する萬年氏はこう強調する。国内の多くのコールセンター運営者が「お手本」とする同社コールセンターでは、“感動体験の提供”を目指したマニュアルやスクリプトに捉われない対応を志向する一方、厳密なリソース管理も実践。さらに“現場力”を高めつつある。

Profile

萬年良子(まんねん りょうこ)氏

アメリカン・エキスプレス・ジャパン
ワールド・サービス事業部担当副社長

外資系銀行の業務部に従事したのち、1989年、アメリカン・エキスプレスに入社。ファイナンス部でのアナリストを経て、信用管理部にてカード会員の信用管理を行うチームを統括。
2006年、シドニーに異動し日本の顧客向けのサービシングを行うチームを率いる。
2009年に帰国。シドニー並びに日本のコールセンターの指揮を執る。 2012年1月に現職に就任し、カードに関する問い合わせに対応するコールセンターに加え、バックオフィス、審査部門を含めたカードサービス全般の業務を統括。

「感動体験」「おもてなし」――最近、改めてこうした方針を打ち出す企業が増えています。アメリカン・エキスプレス・ジャパンは、数年前からコールセンターを含めたすべての顧客接点において「カスタマーエクスペリエンス」の方針を打ち出しています。カギとなる取り組みが「脱マニュアル依存の教育」「採用の最適化」「権限委譲」による現場力の向上で、、達成度合いを測定するKPIとしてネットプロモータスコアを採用しています。陣頭指揮を執る萬年副社長に方針を聞きました。