2024年2月号 <FOCUS/コールセンター>

Focus

現場発「カスハラ対策基本方針」を策定
プロジェクトの主役は“お客さまセンタースタッフ”

──東京ガスカスタマーサポート

東京ガスカスタマーサポート(東京都新宿区、田中 浩代表取締役社長)は2023年、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を打ち出した。従業員を守るためでもあり、結果的にそれが品質の高いサービスとなる考えだ。社内での基本方針を定めたのは各拠点のスタッフ10名。プロジェクト始動から本格運用に至るまでの過程を聞いた。

 燃料費高騰などを背景に、電気・ガスなどのインフラを提供する企業の窓口へクレームが増えている。

 東京ガスの電話窓口を請け負う東京ガスカスタマーサポートでもクレームが急増。当初は顧客からの切電以外で“電話を切ってよい”という決まり自体がなく、「電気代、ガス代が高騰した理由に納得してもらえず、同じ質問を何度もされて何時間も要した」「カスハラ対応が増えてから、ストレスで耳に不調が出るオペレータが増えている」などの状況に陥っていた。

 そこで、2023年に「カスハラ基準策定ワーク」が始動。全国コールセンターで勤務する現場スタッフのなかから代表者を選抜し、「3月までに社内基準を整備し、7月から稼働」を目指した。

 一連の取り組みを行った結果、東京ガスグループ全体でも同様のカスハラ基準を導入することが決定。本社の問い合わせ窓口には、道路工事の騒音や作業員の態度に関する苦言が入ることもあったが、これについてもカスハラの基準を適用する方針だ。