SVが放課後に読むハナシ第4回

なんで私たちSVって他部門からの情報に振り回されるの?――「我ながらSVとしてだいぶこなれてきたな」と思い始めた時期にふとこみ上げる疑念や怒りはこうした思いでした。
他部門から情報ばかり押し付けられ、それをオペレータに“説明を加えて”伝える日々。
雇用属性もさまざまで経験値もバラバラなチームメンバー全員に、情報を周知するというのは至難の業です。
「他部門は気軽にメールを大量に送りつけてくるけど、それを周知する側の気持ちになったことあるのか!」と怒りが湧き上がり、やってもやっても終わらない情報の整理にヘトヘトになることも少なくありませんでした。
そんなとき、鼻息の荒くなるようなラッキーな知らせがきました。
マーケティング部門とセンター部門で座談会をしようという企画です。
普段溜まっている鬱憤を晴らすべく、勢いよく、いや元気に会議室に入りました。
座談会で色々なことを伝えるなか、はっと気がきました。
作り手の苦労、生みの苦労のようなものがあることに。
つまり、分かっていないのはお互い様で、当時の私は企画側のことをまったく理解していなかったのです。
マーケッター達が苦労して作ったプロモーション1つひとつに込められた思いや狙いも汲み取らずにルーティン作業としてオペレータに伝えていました。
それでお客様に良いご案内ができるはずがないのです。
逆にオペレータを苦しめていたと、おとなしく猛省しました。
以降は面識が出来たことも手伝い、プロモーションや広告媒体について積極的に担当部門に連絡を取りあうようになりました。互いの理解が深まり、ストレスも軽減しました。
SVは、センター部門内だけで悶々としているだけではダメです。担当部門のドアを開きましょう。
ドアの開き方は、色々あります。
本当に開けてもいいですし、電話してもいいし、テレカンでもskypeミーティングでも。
ドアを開けて何かが見えた分だけ、SVとして成長できるはずです。
ちなみに、私はドア叩きすぎたことが原因だったのか、その後しばらくしてマーケティング部門に異動になりました。
コールセンターが大好きだった私は当時、「もっと長く居たかったのに……」と思いました。
しかし、今振りかえれば、異動は視野を拡げるいいきっかけになりました。
俯瞰して考える習慣を身に付ける機会が持てたことは、その後またセンターで仕事をするようになったときにとても役立ちました。
やはり、「SVはセンターに、こもっていてはいけない」ということですね。
(コンピューターテレフォニー2013年5月号掲載)
第5回はこちら