5年後のコンタクトセンター研究会、カスタマーエクスペリエンス分科会を開催

 3月3日、「5年後のコンタクトセンター研究会」のカスタマーエクスペリエンス分科会が開催された。

 今回は、コンタクトセンターのコンサルタント会社、ラーニングイットの畑中伸介副社長をゲストスピーカーに迎え、「苦情をCSに変える戦略的カスタマーサービス」テーマに講義が行われた。

 畑中氏は、昨年、リックテレコムから刊行した「グッドマンの法則に見る 苦情をCSに変える戦略的カスタマーサービス」の翻訳者。同書の著者であるジョン・グッドマン氏のカスタマーサービスに関するコンサルタントに基づいて業務改革を担当した経験を持つ。

 講義では、グッドマンの法則を紹介しつつ、苦情とクチコミの定量化の必要性を説いた。

 畑中氏は、「消費者の多くは、商品やサービスに不満を持ってもわざわざ企業に苦情を寄せることは少ない。グッドマン氏が、“苦情はできるだけ受け付けたうえでトラブルを解決してあげた方が顧客のロイヤルティは高まる”と実際に行った調査データをもとに実証したように、苦情をあらゆるチャネルから集める努力が必要」と説明。また、近年拡大しつつあるソーシャルメディアをはじめとしたWeb上でのクチコミについては、「これについてもグッドマン氏は調査を実施しているが、量・質ともにオフラインのクチコミの方が信頼できるという結果が出ている。人間の行動は、チャネルが多様化しても根本のところは変わらないということだと考えられる」と指摘した。

 また、「企業にとって好意的なクチコミ」と「否定的なクチコミ」の影響を金額に換算する計算式も引用。「カスタマーサービス部門が改革を主導するには、財務部門を説得しなくてならない。そのためにも、クチコミや苦情といったVOCの影響を定量化する取り組みが必要」と解説した。

 カスタマーエクスペリエンス分科会は、次回は5月に開催。ワクコンサルティングの諏訪良武氏を招き、サービスサイエンスに関する講義を行う予定だ。また、5月28日(水)、29日(木)の「コンタクトセンター・サミットin福岡」、6月11日(水)、12日(木)の「コールセンター/CRM デモ&コンファレンスin大阪」でセッションを設ける。