「5年後のコンタクトセンター研究会」、カスタマーエクスペリエンス分科会開催

 コンピューターテレフォニーが主宰する「5年後のコンタクトセンター研究会」のカスタマーエクスペリエンス分科会がリックテレコムの会議室で開催された。

 2014年3回目の開催となった今回は、サービスサイエンスの提唱者であるワクコンサルティングの諏訪良武氏をゲストスピーカーに迎え、サービスのモデル化、プロセスの可視化などさまざまな事例をもとに議論を重ねた。

 諏訪氏は、「世の中のほとんどのサービスはモノを提供する、快適さを提供する、情報を提供するという3分類に適合可能」と指摘したうえで、サービスの分類軸の例を10個例示した。

 また、近年、話題を集めているワントゥワン対応を中心としたおもてなしやコンシェルジュサービスについては、「まずはマニュアルなどに基づいた標準サービスの構築からはじめるべき。それができていないのにワントゥワンサービスができるわけがない。マニュアル対応は確かに嫌われがちだが、感動サービスの一部はマニュアルでも提供可能。問題は作る人のセンス」と、事例を挙げながら強調した。

 サービスサイエンス実践の最大のポイントといえるのが「事前期待のマネジメント」だ。諏訪氏は、事前期待についても、(1)共通的、(2)個別的、(3)状況で変化するもの、(4)潜在的の4つに分類。それぞれについて事例をもとに解説した。

 さらに「事前期待は上げればいいというものではない。高すぎると、利用した後の価値が下がることも当然ある。事前に顧客に対して適切なアプローチを実践することで“冷ます”ことも考えなくてはならない」と指摘した。

 カスタマーエクスペリエンス分科会は、次回から構成メンバーがそれぞれの考えや実践例を発表する。また、5月29日(木)に「コンタクトセンター・サミットin福岡」で、6月12日(木)には「コールセンター/CRMデモ&コンファレンスin大阪」で成果発表のセッションを開催する予定だ。
 それぞれの受講申し込みは以下から(事前登録制、受講無料)。