センターマネジメントの非常識(1)→つながりやすさを示すKPIは「応答率」だから、それさえチェックしていればよい

 コールセンターで、「最も重視しているKPI」というケースが圧倒的に多いのが応答率です。

 しかし、応答率とは「顧客からの電話がつながった」という結果を示す数値。センター側が意図していない(あるいはできない)外部要因によるコール数の増減に影響されるため、マネジメントの努力によってコントロールできる数値ではありません。つまり、改善のためのアクションにはつながらない数値といえます。

 さらに「つながるまでのプロセス」を度外視した指標でもあります。1秒で接続しても、数十分待たせて接続しても、同じ「応答したコール」としてカウントされます。顧客視点において、この2つのコールが同じ扱いでいいわけがありません。カスタマー・エクスペリエンスの観点からつながりやすさをチェックできるのは、「X秒以内にY%のコールに応答する」というサービスレベルだけです。

 「どれだけ待たせていて、どれだけ応答できたかを同時に知ることができるため、応答率よりもサービスレベルを用いるべきです」(イー・パートナーズの谷口 修代表)。

(コンピューターテレフォニー1月号特集「センターマネジメントの常識力」から再掲)