センターマネジメントの非常識(2)→応答率などのKPIはとりあえず1日平均の目標とのかい離をチェックすればよい

 「平均値のマジック」という言葉があります。所得調査などでは、一部の高額所得者の回答に引っ張られる形で平均値がハネ上がることを指しますが、コールセンターのKPIも統計数値である限り、このマジックから逃れることはできません。図にあるように、たとえ平均放棄呼率が10%程度のセンターでも、時間帯ごとにチェックすると大きな変動が生じていることがわかります。これが、放棄呼率(応答率)には一見、問題ないのに「ぜんぜんつながらないじゃないか!」というクレームが多いセンターの正体です。

 プロシードの澤田哲理氏は、「日本のコールセンターの管理者には“インターバル”という観点を持っていない方が多いのが現状です」と指摘します。

 実際、編集部が実施している「コールセンター実態調査」でも、「時間帯ごとにKPIをチェックしている」というセンターは全体の35%しかいません。「顧客視点での品質向上」を徹底するならば1日平均では不十分で、時間帯ごとの検証は欠かせないといえます。

※コンピューターテレフォニー2015年1月号特集記事より抜粋