NTTテクノクロス、中期経営計画を発表

NTTテクノクロス(東京都港区、串間和彦社長)は、中期経営計画を発表した。

同社は、NTTソフトウェアとNTTアイティの合併により4月1日に発足した新会社。両社の既存事業にNTTアドバンステクノロジの音響・映像事業も統合した。NTT直轄の研究所と連携し、研究試作の受注、最新技術を活用したソリューションの開発・市場展開を担う。各社の開発部隊の統合により、概算で数億円のコスト圧縮を見込んでいるという。

串間和彦社長は、「各社が強みとする最先端のテクノロ
串間社長ジーを掛け合わせることにより、市場に新たな価値を創出したい」と社名に込めた思いを強調。具体的には、「(1)AIを活用した『カスタマー・エクスペリエンスの向上』」「(2)『働き方改革』促進による社会問題の解決」「(3)2020・地方創生に向けた『おもてなし』」などを注力分野とすることを示した。


NTTテクノクロスの役割
NTTテクノクロスの事業イメージ


(1)AIを活用した「カスタマー・エクスペリエンスの向上」は、音声認識ソリューション「ForeSight Voice Mining」などのコールセンター向け製品にAI技術群「corevo」を組み込むことによる業務効率化だ。例えば、顧客応対をリアルタイムに音声認識でテキスト化し、ナレッジから通話に関連するキーワードを自動抽出、回答候補をレコメンドする。

(2)「働き方改革」促進による社会問題の解決は、リモートアクセスツール「マジックコネクト」やビジネスチャットツール「TopicRoom」を組み合わせ、ロケーションの離れた拠点との情報共有を促進する。例えば、音声認識エンジン「SpeechRec」を利用して、Wi-Fiインカムシステムによる会話をテキスト化し、「TopicRoom」に表示するなどが可能だ。

(3)2020・地方創生に向けた「おもてなし」は、デジタルサイネージやロボット、VR(Virtual Reality)といった製品とAI技術を組み合わせたソリューションを展開する。例えば観光案内施設での観光情報の自動回答などを想定している。



中期経営計画スライド
NTTテクノクロスは、2020年度に売上高500億円を目標に据えた

当初計画(2017年度)では売上高425億円(NTTグループ内240億円)、営業利益12億円を掲げ、2020年度に売上高500億円(同250億円)、営業利益22億円の達成を目標に据える。また、市場展開力を強め、現状で売上の56.4%を占めるNTTグループ内売上を50%以下に抑える考えも示した。