個別最適化を実現する役割は、AIが担う。同社のAdaptive Intelligent Appsは、「Oracle Service Cloud」をはじめとするクラウドアプリケーションに蓄積されたデータだけでなく、サードパーティ製のシステムから得られるデータも収集する機能を持つ(図2)。例えば、人口統計学や心理学、ソーシャル/シェアデータなどを企業が保有するあらゆるデータと組み合わせて分析をかけることで、より精緻に最適化を図れるという。
常陽銀行 ダイレクト営業部 企画グループの丸岡政貴氏は、「近年、利便性向上の観点からインターネットバンキングの強化が業界に広がっていますが、地銀は顧客への周知の面で後れをとっています」と説明。実際、同行では顧客全体のうち15%の利用にとどまっていると述べ、「(不便や不満など)顧客の課題を知り、解決方法を用意するだけではなく、“使ってもらう”までがサービス提供者としての責任です」と強調した。例えば、Webで店舗検索をする顧客は、残高照会や振り込みなどを目的としている。店舗検索ページにインターネットバンキングのバナーを設置して、“気づいてもらう”ことに取り組んでいる。さらに、Oracle Service Cloudの活用により、Web上で各種サービスの申し込み時に発生する疑問を解消し、Web利用の促進を図ったという。
伊予銀行は、Oracle Service Cloud導入により、Web-FAQおよびオペレータFAQの改善を図ったほか、店頭に設置した「Pepper」からもFAQ閲覧できるようにした。伊予銀行 営業戦略部 マーケティンググループの山本 隼氏は「店舗における問い合わせ内容の解析にも今後取り組む方針です」と述べた。百十四銀行は、7月18日に導入したばかりだが、「モバイルデバイス対応やチャネル連携などさまざまな課題の解消に取り組んでいきます」(百十四銀行 営業統括部 チャネル戦略グループの冨吉功二氏)と意欲的な姿勢を示した。