ガートナー ジャパン、「デジタルシフトの遅れ」に警鐘

ガートナー ジャパンはこのほど、従業員数500人以上のITユーザー企業を対象にデジタル・ビジネスに関する意識調査を行った。

同調査はインターネットをベースに行い、ITインフラに関わる企画や製品、ソリューションに対して決裁権がある/関与している、もしくはITインフラストラクチャの戦略に関与しているマネージャー職を対象に実施した。有効回答数は、515。

デジタル・ビジネスを実現している企業は、約10%に留まり、経営層におけるデジタル・ビジネスへの理解度についても、「理解していない」という回答が約25%にのぼった。

結果を受けて、リサーチ&アドバイザリ部門 バイス プレジデント, アナリストの鈴木 雅喜は「『理解している』と言っても、実際には半信半疑で腹に落ちていない、または適切な投資判断ができるほどには機会とリスクを正しく理解できていない方が60%を超えている。アイデアの取得や実証実験など、各フェーズで経営層やビジネス・リーダーの理解度を高めていく仕組みが欠かせません」と警鐘を鳴らしている。

調査では、AmazonやGoogleなどのテクノロジ・ベンダーが自社の業界に参入し競合となった場合の影響についても尋ねた。
10%強の企業が「自社が破綻する恐れがある」と答え、全体の70%以上の企業がネガティブな影響を受けると認識していることが明らかになった。

鈴木氏は、「従来、インターネットから生まれた新しいビジネスの影響を最も大きく受けてきたのは小売業でした。しかし、新たなテクノロジ群がそこに加わることで、すべての企業が大きな影響を受ける時代に突入しています。デジタル・ビジネスへの取り組みは必ずしも容易なものではありませんが、そこには新たな成長機会も眠っているはずです。今こそすべての企業が取り組みを継続し、ブレークスルーを狙っていくべきです」と示唆した。