電通国際情報サービス、静岡銀行のラップ口座開設ポータルを Salesforce Community Cloud で構築

 電通国際情報サービス(東京都港区、釜井節生社長、以下ISID)は、静岡銀行(静岡県静岡市、柴田 久頭取)が取り扱う投資一任運用サービス「しずぎんラップ(MSV LIFE)」の口座開設ポータルを、Salesforce Community Cloud(セールスフォース・コミュニティクラウド)で構築した。

 同システムは、ラップ口座の利用に際して必要となる各種口座の開設手続きを、ネットでの簡単な入力だけで完結できるポータルシステムで、同行が推進する顧客接点改革に向けた新たなチャネルとして期待されている。なお、ラップ関連口座の開設申し込みがネットで一括完結できるポータルの提供は、邦銀初となる。

 ITサービスの普及に伴い顧客の来店機会が減少する中、多くの地域金融機関がデジタルチャネル活用による顧客コミュニケーションの最適化に取り組み始めている。こうした状況の下、静岡銀行は中期経営計画の基本戦略の1つにチャネル・IT基盤を活用したセールス業務の改革を掲げ、インターネットをはじめとした非対面チャネルの強化・拡充に取り組んでいる。また、2014年に資本提携したマネックスグループおよび同社グループとの連携を通じ、顧客基盤の拡大と新たな収益機会の獲得に向けた取り組みを推し進めている。

 このような中、同行が今年8月に取り扱いを開始した「しずぎんラップ(MSV LIFE)」は、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問(東京都港区、中村友茂会長兼社長)が運営する投資一任運用サービス「MSV LIFE」の契約締結を静岡銀行が媒介するもので、「1000円から始められる」「総運用コストが安い」など、従来のラップ口座にない特徴を備えていることから、幅広い年齢層の取り込みが期待されている。静岡銀行では取り扱い開始にあたり、新規顧客開拓に向けた新たなチャネルの確立を目指して、Salesforce Community Cloudの採用を決定、構築パートナーとしてISIDを採用した。

 一般にラップ口座の利用には、預金口座や証券口座など関連する複数口座を保有している必要があり、新規開設時には口座ごとの申し込み手続きが必要になる。その際、預金口座は銀行、証券口座は証券会社、ラップ契約は投資顧問会社など、申し込み先が異なるため、同じ情報を繰り返し入力したり、一部で来店や書類郵送の必要が生じるなど、利用者にとって煩雑な仕組みとなっている。同システムは、これらの口座開設手続きをネットでの簡単な入力だけで完結できるポータルシステム。一度の入力で関連するすべての口座開設申し込みを行えるだけでなく、利用者が各申し込み先での手続き進捗状況を一元的に確認することができる。

「しずぎんラップ」口座開設ポータルのシステム概要(クリックで拡大)



 同システム構築にあたりISIDは、銀行、証券会社、投資顧問会社など、関係する複数の事業者における業務フローの再設計、Salesforce Community Cloud を活用したシステム構築、ユーザーインタフェースの開発などを実施。静岡銀行では今後、同システムを活用した顧客への情報提供をより充実させ、統合的な顧客コミュニケーション基盤として活用していく計画だ。